好きだと言えなくて

俊介side


や、やべぇ・・・俺、キスだけで我慢出来っかなぁ・・・

春乃と何度もキスをしているうちに、そんなことを思っていた俺。
その時・・・

ニャオン!

俺と春乃の間に割り込んできたのは、ミー助。

「ミー助!」

ミー助を見て、すぐにあの時の捨て猫だと気づいた春乃に、俺は、

「俺が連れて帰ったんだ。」

と言って、ミー助は部屋の外へと追いやり、クローゼットからずっと大切にしまっていた、あの時の春乃の傘を差し出し、あの時から春乃のことが好きだったと言った。
そして、毎日あの道を通って春乃と会えないかと思っていたことも、入学式の日に春乃を見て運命だと感じたことも言った。

「入学式の前に、桜の下にいる春乃を見た。桜を見上げていた笑顔を見て、また好きになったんだ。」






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