好きだと言えなくて

何も言わないまま、あたしの手を引っ張って歩く俊ちゃん。
斜め後ろからだと、俊ちゃんの表情もわからない。

俊ちゃん、怒ってるのかな・・・
どうしよう・・・

しばらく歩いて俊ちゃんの家に着くと、

「飲み物持って行くから、先に部屋に行ってて。」

とだけ言って、俊ちゃんはあたしを見ることもなくキッチンへ入って行った。
部屋で1人で俊ちゃんを待ってると、何だか不安になって、気づいたら涙を流してしまっていたあたし。
しばらくして飲み物を持ってきた俊ちゃんは、飲み物をテーブルに置いて、泣いてるあたしを優しく抱きしめた。
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