好きだと言えなくて

春乃・・・なんだよ・・・言わなきゃわかんねぇだろ・・・

「春乃・・・ちゃんと言えよ・・・俺、春乃がやきもち妬いてくれんの待ってた・・・春乃が俺のこと好きなんだって、実感したかったんだよ・・・」

そう言った俺は、春乃を振り向かせてキスを落とした。

「きゃーっっ!!高岸くん!やめてーっっ!」

そう叫んだ女たちに俺は言った。

「俺が好きなのは春乃だけだから!男も女も、春乃に手を出すやつは、絶対俺が許さねぇから!」

春乃は俺の彼女なんだからな!
誰にも邪魔させねぇ!


黙ったまま春乃の手を引き、家まで連れてきた。

「飲み物持って行くから、先に部屋に行ってて。」

ちゃんと春乃に謝らなきゃな・・・
春乃を泣かせたかったわけじゃないんだよ・・・

なのに、俺がジュースを持って部屋に行くと、春乃はまた涙を流していたんだ。


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