正しい殺人事件
お?
高い声。新手か?
ごみぶくろを手にした一人の女生徒。
「せ、先輩…!」
なんだ、少年。知り合いか?
「その財布…、あなたの?」
少年ガン無視。
上履きのラインは黄色。
一個先輩か。
てか、先輩。ここは外履き区域だぞ。
「これか?…私のだ」
「ほんと?」
なぜに疑われなきゃならんのだ!
「私のだ!」
なんだよ、その不服そうな顔は…!
「中、見てもいい…?」
なんだ、こいつ。
「どうぞ」
…あれ?財布ん中に野口さんがいる。
「これ、私のなんだけど」
なんで、なんで、なんで…!?
「返してもらうからね」
…ぅわ、先輩。
目、怖いっす…。