正しい殺人事件

「なんで、?!」
分かったか。という顔をする少年。

「泥が付くようなところは、中庭しかないからね」

「あぁ、なるほど。中庭だけは、まだコンクリートじゃないからな」
仁王立ちが言う。

水捌け悪いし。
奈々ちゃんが、いつも体育祭練習の度に気にしてたな。
靴が汚れるって。

「それでさ、さっき隠した紙切れ。出してくれる?」

「なんで」

「…レシートでしょ。恐らく奈々ちゃんの。奈々ちゃんのレシートなんて、君にはいらないだろ?君が欲しいのは…」
「分かった!分かったから、もう言うな!黙れ!」
慌てて、少年がポケットから紙切れ、レシートを出す。

「君は、おまじないをしたかったんだろ?」
「なッ…!」

「アハッ!そういうこと」
女王がたまらず吹き出した。
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