桜姫
浪士は震えながら立ち上がって去った。
………情けない
『そこの、大丈夫か?』
「………」
男は刀を鞘にしまいながらチラッと私を見た。
「………異人」
『生粋の日本人だ阿呆』
「また間違われたんですか?」
クスクスと笑ながら刀を鞘に収める総司に殺意が芽生える。
「………」
『信じてないだろ。てか信じろ』
「無理ですよ、初対面でそんな事言われても」
総司はきっぱりそんな事を言いながら男に目を向けた。