桜姫
桜姫
『……はぁー…』
池田屋事件から暫く平和が訪れた新撰組。
だが、私の体は重くなる一方だ。
『……なーんかだりぃ…』
「まぁ、今は冬ですし風邪ひきやすいですからねぇ」
総司は横で茶菓子を頬張りながら温かいお茶を手に握っている。
まぁ、私もお茶を握りしめているが、総司の様にずっとは持っていない。
今は雪が降っていて寒くて堪らない。
でも、私は雪が好きなのだ。
母様と父様と玖羅との唯一の思い出がある雪。
昔は良く雪の日は遊んだらしい。
まぁ、玖羅の話によると、だが。
私は息を吐き出しながら手を握ったりして、摩擦を起こしたりした。
「クスクス…そんなので暖かくはならないでしょう?」
総司は笑いながら言って来て、私はムッとしてヤケになりながら摩擦を起こした。
……あぁ、私は餓鬼になってしまった。
頭を抱えながら喚きたい気持ちでいっぱいになった。