桜姫



ーーーーーー





真っ暗闇に浮かぶ1人の少女が見えた。







その子に近寄るに連れ、少女の声が聞こえた。




『ひっ…………ぅっ…お母さんっ…


お父さんっ…お兄ちゃ…』



少女は、悲痛に泣きながら言葉を零す様にしゃべっていた。



『私を置いてかないでよぉ…』








彼女を見ていて私の様だと思った。



『1人は嫌………』



少女の姿を捉える事ができる前に少女は消えた。


私はあたりを見渡すと、少し身長の大きくなった少女の影があった。




『…私は自分を守る…………』




その少女はそう言いながら多くの侍を斬り捨てて行く。




そして、またフッと居なくなる。






そして…………




『………あんたも一緒だよ』



後ろから声がして、振り返るとその少女は………




昔の私…………




< 206 / 245 >

この作品をシェア

pagetop