桜姫


『…兄様…………』



久しぶりに呼んだその名に、玖羅は悲しそうに微笑んだ。




「ーーーーーいつかは知る時がくるさ」




玖羅はそう言い、部屋から出て行った。




最悪の最期って?




何?





最期?





私の最期は







決められてしまっている?









桜羅は静かにそっと涙を流した。



………


『…脆くなってしまったな………』




そう言いながら床に倒れる様にして寝転がった。




< 211 / 245 >

この作品をシェア

pagetop