桜姫
特には何も無かったが、総司は青い顔をして女の遺体を見ていた。
『…総司?』
「こ、れ…………」
総司の指差したモノは、私も目を見張った。
そこにあったのは
大きな穴が首に二つ、空いていた。
その異様な光景に隊士も黙りこくった。
だが、総司は平静を保って立ち上がった。
「…………行きましょう。
まだそこらへんに居るかもしれません」
総司はまた歩き出したので、桜羅と隊士も後に続いた。
だが、その日はそれきり、叫びどころか乱闘でさえ無かった。