桜姫
私と総司率いる一番隊の隊士で巡察に出ていた。
玖羅も今日はついて来て居る。
だから、いつもより心は軽いが玖羅が心配なのも一理あるのだ。
桜羅は少しやるせない気持ちで玖羅と歩いていた。
「ーーー何だ、こんな物騒な街に居たのだな。」
凛とした男の声が後ろから聞こえ、素早く刀の柄に手をかけながら振り向いた。
『誰だっ‼』
桜羅が問いかけても暗闇からは何も見とれない。
目を細めてじーっとしていると、上に気配を感じ、上を振り仰いだ。
玖羅と総司もつられて桜羅の目線の先を追う。
そこには、黒い服を着込んだ男が屋根に立って居た。