桜姫



ーーーーーー

次の日の夜の静けさが訪れ、桜羅は山を突き進んで居た。



『…………』


風桜。


風桜舞。


治癒能力。


桜羅の中には自分への幾つもの疑問が渦巻いていた。



私は誰だ?



私は何故ここに居る?



私はどうして




1人なんだ?




色々な自分への疑問が脳にへばりついていく。



戸惑いを隠しながらも山奥を進んだ。



…………何刻か進んだ頃。


物騒に茂る木のぽっかりと空いた所に




城は存在した。




今時見た事がない西洋式の屋敷。



ソレに違和感を感じ、そっと息を潜めた。




「…………何をしておるのだ。




サッサと此処まで来い」





1人の男の低い声が頭に痺れる様に伝わってくる。



扉を1つ見つけ、ソレをそろりと開けると、ギギッと嫌な音を立てる。




『…………』



嫌な予感しかしないのは気のせいなのだろうか。




だが、そのまま何故か解らないが一直線にある部屋へと足を運んだ。




< 222 / 245 >

この作品をシェア

pagetop