桜姫
その部屋のドアは分厚く大きい。
「やっと来たのか。
我妻」
『…………』
は?
我妻?
ワガツマ?
『…誰が妻だ』
私は目を鋭くしながら口を開く。
「お前は私と結ばれる事でしか“あやつ等”は救えん。」
あやつ等?
救えん?
何が?
私は目をそいつの声の方向へ向ける。
そいつは私と同じ赤い目に
薄い桃色の髪をして…………
風桜舞
の、対の刀を持って居た…………
『……誰だ…誰だっ‼
誰だお前は‼』
私は咄嗟に刀を構えながら問うと、男は不適に笑った。
「…………風桜 紅葉」
ドクン
胸が大きく波打つ。
何?
風桜?
紅葉?
ズキン
頭に鋭い痛みが駆ける。
『…………っ‼』