桜姫
『……私の両親が殺されたのは私が3歳の頃だ』
「そんなに早く……」
「え、桜羅って親……」
永倉が、さっきの会話でわかっただろうに桜羅に戸惑いながら聞く。
『……さっき言ったとおり、3歳の頃長州に殺された』
原田と藤堂と永倉は顔を歪めた。
斎藤も僅かに眉を動かした。
『両親が死んだ時の事と、人を斬って来た事しか覚えていない…』
ほんの一瞬、桜羅が悲しそうな目をしたのを、皆は見逃さなかった。
…………
「さぁ、じゃぁ、土方さんの部屋に行きましょうか。」
沈黙を破ったのは意外にも沖田だった。