桜姫


「あれ?この煮物すんごく美味しい」

「あ、この味噌汁うま」

隊士がざわざわ言いながらご飯を口に運ぶ。




……ひさしぶりだ。



こんなに賑やかな所に居るのは…


クスッと笑った桜羅に、その場に居た全員が頬を染めるのも無理はない。





『それでは、私はこれで…』



「…飯食えよお前」



立ち上がる桜羅を見た土方が眉を潜めながら低い声を出す。



そんなの桜羅にとっては何とも無いのだが…




『フンッ。お前なんぞに命令される覚えはない』




「……んだとコラ、表でろぉぉお‼」

鬼の形相になって追いかける土方。


『わー、わー、やだー、うわー、わー。沖田さーん変態が追いかけて来る』




桜羅は、棒読みで沖田に助け求めた…




「土方さん、ご飯中ですよ。黙って座って食べて下さい。」



沖田がもっともな事を言い、土方は大人しく座る。




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