桜姫
「ははははっ!
歳は桜羅くんに振り回されてるなぁ」
「〜〜っ近藤さん‼」
近藤にまで笑われて少し顔を赤くさせる土方。
その光景を見て皆笑っている。
だが、1番笑う筈の桜羅が、笑うも何も無表情だ。
『……なぁ、土方』
「だからお前さんを…『私に付けてた観察の人、またこっち来てない?』
その言葉に、土方は目を丸くする。
「………ぇ?お前、まさか知って…『あんなわかりやすい視線感じたこと無い』
最初の方はやっぱり観察を付けて居たのだ。
だが、怪しい動きが無ければ、皆と溶け込んで行く桜羅を見て納得したのだろう。
観察をやめさせた。
そして、またここに向かって来ている。
『……酒…』
かなりの酒の匂いが鼻を擽る。