桜姫
芹沢
「芹沢さんがお帰りになったか……」
近藤さんが渋い顔をして、襖に目を向けた。
桜羅は、襖の前に人の気配を感じ、目を鋭くした。
……酒臭い。
誰だ…
カラッ
「…芹沢…さん……」
土方は眉間に皺を寄せながら芹沢とやらを睨みつける。
「土方、久しぶりなのにそんなに睨むなよ」
「…………」
……酒…
「芹沢さん、お帰りなさい。」
「あぁ、近藤。資金を集めておいたからの」
「……ぁ、りがとうございます」
近藤は顔を歪めながらお礼を述べた。