檸檬の変革
飛行機の搭乗ゲートで両親と別れて僕とマリアは飛行機に乗り込んだ。

手荷物をシートの上にしまい座席に座るとマリアは早速僕に話かけてきた。

『夏樹は運命を信じてるの?』

僕は豆鉄砲を食らったら鳩みたいな顔になった。
答える隙を与えずマリアは話を進めた。
『私、夏樹のお父さんから色々聞いたけれど、夏樹はロマンチックよねー。』

『それにハンサムで良かったわ!』

僕はマリアに振り回される予感がした。


飛行機が離陸して雲の上を飛ぶ頃、僕は初めて雲の上を知った。何処までも空が広がっている事を知った。


マリアを見た。イヤフォンをして音楽を聴きながらインドネシアのガイドブックを読んでいた。

ゲッ!!!!!

インドネシア知らないのかよ!

僕は無事に夢魔に会って無事に帰れるのかさえ心配になった。
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