檸檬の変革
僕は僕に宛てられた沙羅からの最後の手紙を沙羅がいなくなって5年も経つのに未だに肌身放さず持っている。


僕は沙羅に何が出来たかな。

僕は沙羅にもっと優しくしていれば良かった。

僕は沙羅を思い出す度に自責の念に胸を掻きむしる思いになる。

後悔ばかりで女々しい。


だって、沙羅が居なくなるなんて、もう会えないなんて思いもしなかったから。



何時もの日常に幸せがある日突然崩壊する。
これ程怖いモノは無い。


沙羅、君はどんな気持ちで僕を見ていたの?
僕は君が苦しんでいるのも知らずヘラヘラしていたのを見て、腹が立たなかったの?

沙羅、君に聞きたい事が沢山あるのに、君は何一つ答えず手の届かない所へ行ってしまった。


僕の腕にしがみついていた白く細い君の手の感触が忘れられないよ。
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