檸檬の変革
『うん。』私は手にしていた煙草を地面に落とし足で踏み消しながら同じ様に立ち上がった。

私達は河に背を向け道路側の土手の坂を小走りに降りて溜まり場の家へと向かった。


『ただいまー。』

玄関の扉を開けながら言った。
私の今の居場所。
家に私の居場所は無い。

溜まり場の母親が台所から返事をする。
『おかえりー!』

私達は靴を脱いでリビングに行く。
『よぉ。おかえり。』
溜まり場の主あちきくんがコタツでテレビを観ながら声をかけた。
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