檸檬の変革
ボンヤリしながら窓に映った自分の顔を眺めた。私が泣くとこんな顔か…………。


あの日も雨で私は突然別れを突きつけられて
泣いた。


傘もさしてなかったから雨だか涙か分からなかったと思う。


相手はバツが悪そうに私に背を向け小走りに私の元から去って行った。


思い出していたら突然声を掛けられた。


『お嬢さん。もし時間があればこちらのカウンターに来ませんか?』


店のマスターだった。
白髪に白い髭を生やし、赤いチェックのベストを着ていてまるで漫画に出てくる様な感じ。


断る理由も無いし雨を眺めるのにもいい加減飽きてきていた私は誘われるがままカウンター席に座った。
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