檸檬の変革
太陽が登りきった頃、私達は海を後にした。

少しずつ何時もの日常に戻ってゆく。
流れる街並み、大好きなREBECCAの曲。

夢は叶ったから。
私は夢を抱きしめこの先の未来を全て受け止め包み込み歩んでゆける。
それがどんなに辛く苦しい未来だとしても、もう私は恐れない。


車は私の家の近くに止まった。
私は車から降りて開いた助手席から文也に言った。
『またね。』

文也が笑って言った。
『またな。』


私はドアを閉め、そして車は走って行った。
私は文也の車が見えなくなるまでずっと見送っていた。


車が見えなくなると、ため息を1つつき
自分の家に帰った。

ポケットには片方になった貝殻を入れて。
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