檸檬の変革
2人は都心から離れた東京でも住宅街に住んでいた。


実空は祖父が亡くなってから寝る時以外は家に寄り付かなくなっていた。


実空の両親は共働きで殆ど祖父母に育てられた様な生活だった。
実空にとって祖父母は憧れのカップルだった。

祖父母は本当に仲が良く実空も両親よりよく懐いていた。

3人で居る時は英語で話をしていた。

祖母が亡くなった時祖父は静かに棺に眠る祖母に
『I love you forever.
My soul with you Everytime.』

と囁き綺麗なブルーアイからキラキラと輝く涙を流していた。

火葬場の煙突から登る煙を実空の小さな手を握り祖父は美空に言い聞かせた。

『美空。おばあちゃんは空の星になる為に旅立ったんだよ。きっと天の川の星の1つになったんだよ。』


美空は泣きながらコクリと頷いて祖父と煙を眺めていた。


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