檸檬の変革
『美空。何時か天の川を見に行こうね。
数え切れない程の星の川は亡くなった人達が集まって出来た魂の川何だと、僕は思っているんだ。何時か僕も天の川の星になりおばあちゃんの星の隣で輝きながら美空の幸せを見守るんだ。』

じいちゃんが夜空を見上げながらあたしに行っていた。
でもその夜空には天の川は見えなかった。


何処に行けば天の川を見ることが出来るんだろう。


じいちゃんは死ぬまで天の川の見えない夜空を見上げていた。


病気で入院して寝たきりになり、意識もハッキリしなくなって、日本語より母国語の英語が多くなっても、天の川をもう一度見たいと言っていた。


最後にじいちゃんにあった時じいちゃんは
力無くあたしに笑いかけながら言った。
『美空。僕がいなくなっても悲しまないでね。僕はおばあちゃんの側で何時までも美空の幸せを願ながら星になるのだから。泣かないでね。』


じいちゃんはそう言って、英語で何かを呟いた後息を引き取った。


今でも最後にじいちゃんが呟いた言葉が何だったか知りたいし、その事が頭から離れない。
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