檸檬の変革
君から貰った最後の手紙。

君らしい美しくて整った文字。

そして手紙と一緒に入っていた一輪の押し花。
僕がその花言葉を知ったのは君がこの世に居なくなってしまって暫く経ってからだったよ。


今年もまた君に会いに来たよ。


まさか君が永遠に会えなくなるなんて思いもしなかったんだ。


あの黄色い薔薇は花屋で君に似ていたから買ったんだよ。
寂しがり屋の君だから残せずに飾ってあったのを全部買ったんだ。


あの頃の僕達はすれ違いが出来て暫く1人になりたかっただけなんだ。
それを友人に託しただけだったんだよ。


花言葉なんて知らなかったんだよ。


許してくれ。


僕は今でも君の事を…………。
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