檸檬の変革
『パパ!』

振り返って美弥子を見た。

『その花どうしたの?』


美弥子は得意げに克也に差し出し笑顔で答えた。
『アッチに沢山咲いてたの!パパのお友達にあげてね。』


克也は美弥子から花を受け取り、美弥子が眠る墓にソッと置いた。


美弥子。僕は娘に君の名前を貰ったよ。
君は僕にとって素晴らしい女性だったから。

君の様な女性(ひと)になって欲しいから。

君は怒るかもしれないね、でも心配しなくて良いよ。
僕の妻は君を愛した僕を知ったうえで結婚してくれたんだ。


僕は今凄く幸せだよ。


でも時々無性に君に会いたくなるんだ。
君と話をしたくなるんだ。


君が僕に送った一輪の花


アニソドンテア

今でも持っているんだ。
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