檸檬の変革
よく2人が結婚したもんだ。
紫織はまた溜め息をついて書斎の整理を始めた。


本棚の下の観音開きの扉を開けた。
すると紫織は古ぼけたクッキーの缶と
ジャムが入っている様な硝子瓶を見つけた。
瓶の中に丸められた紙が入っていた。


紫織はそれを取り出し、書斎の机の上に置いた。


紫織は缶と瓶を暫く眺めていた。
急に罪悪感が出たのだ。
一目で父の宝物だと分かったから。
見てみたい欲求と見たらいけない様な気持ちに揺れていた。



開けてみよう。



そう決心したのはもう夕陽が沈みかけた頃だった。







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