檸檬の変革
その後に父の実家の住所が書かれていた。


紫織は窓の外を見た。もう薄暗くなっていて、窓に自分の顔が写っていた。


父に似ていると言われた顔。
父にもあったんだ。明日も見えない自分に悩んだ時が。


もっと父を知りたい気持ちになった。
紫織は机のライトを点けて缶に手を伸ばした。






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