檸檬の変革
紫織は最後の写真を暫く眺めてから伏せた。

何か書かれていた。


もう迷わない。仲間が路を記してくれたから!
この一瞬は永遠の瞬間。
絶対忘れない瞬間。


サイコー!!


父の文字。


ボトルレターとは正反対の明るい文章。
紫織はボトルレターと写真の間に何があったか知りたくて仕方なかった。



写真の束を元に戻し、手紙の束に手を伸ばした瞬間後ろから名前を呼ばれて驚き手紙の束を床に落としてしまった。


手紙はバラバラに床に散らばった。


呼んだのは母だった。


紫織は慌てて写真の束を缶に戻したが手紙は拾えずその場で動けずにいた。

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