檸檬の変革
コレまでの事を正直に全て話した。
そして夢魔、七海さんに会いたいと申し出た。

鈴木さんは暫く押し黙ったまま固まっていたが溜め息をついて口を開いた。

『臓器移植の規約は知っているよね?仮にもし君が貰った臓器が狩屋君のモノだとしても、君は会うことは出来ないよ。』


僕は頷いたが、強い口調で鈴木さんに言った。
『それでも、僕は一目坂貫さんに会いたいのです。お願いします。今何処に居るのかだけでも教えて下さい!』



鈴木さんはまた暫く黙って何か考えていたがやがて根負けしたみたいで口を開いた。

『坂貫は今シンガポールの小さな島に滞在しているはずだ。しかし、それも二週間前の時点の話でまた移動している可能性が高い。彼女は何時も気紛れだから………。』


僕は鈴木さんにお礼を言って事務所を後にした。









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