アンジュエールの道標

学校にいる間もずっと気になって仕方ない。

あの家には居たくないけど、帰らないといけない。

だって、帰ってくるから。

そう思うと私はあの家に居ないといけない。

家に居るからあの夢を見るのに。

ううん、違う。

私があの夢を見続けるのは――。


「万里、大丈夫?」

「あ――、うん」


どうもウトウトしてたみたい。

気が付くとSHRは終わって、目の前で優子が心配そうに覗き込んでた。


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