アンジュエールの道標
「だからハルも君の家に捨てられたんだよ」
「あ」
そう、なんだ。
確かに家の前にはゴミを投げてくる人が多い。そして、ハルも。
それを拾ったのは身重だったママなんだけど。
「そうそう、ちゃんと万里が分かってあそこに俺はいったの!」
「……ゴミと一緒に捨てられただけであろう?」
「間違いないな」
「違うっ! ちゃんと万里に惹かれてっ!」
「それほど賢くは見えんな」
「同感だ」
「き――っ!」
うん、やっぱり仲いい。