アンジュエールの道標
って、これはハーレムですか?
うん、違う。
ユズハさん、女だし。
「男の姿がよければ、ほれ」
ひらりと着物を翻したかと思えば、そこにはイケメンが一人。
すらっとした身長、黒髪は短く、でも顔はビジュアル系の美しいタイプ。
「どのようなのが好みじゃ? いかようにも姿を変えて進ぜるゆえ」
「……いえ」
そういう問題では。
「うん、みんな酔いが回ってるんじゃない?」
そこ?
「そろそろお開きにしようか」
だけど、もうどうでもいい事にした。