アンジュエールの道標


「マジで顔色悪いよ。帰ったほうがいいんじゃない?」

「大丈夫、ちょっと調子が悪いだけで」

「なら、保健室は?」

「えっ?」


驚く私に優子は仕方なさそうに笑って。


「次は政経だしさ、少し寝てきたら?」

「……保健室」


その提案に私は思わず「そうだね」って答えてた。

だって、家じゃなく保健室でなら眠れるかもしれない。

あの夢を見ることなく――。

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