アンジュエールの道標
続けて聞こえてくる声に私は顔を上げた。
そこには、
「パパ……」
もう、懐かしいとさえ思えるパパの姿。
「ハル! ハルじゃないか!! よかった!」
「……ちょっと」
娘が目の前にいるのにハル?
パパもママも奪い合うようにハルを抱いて頬ずりしたり。
「あんな怪我させてごめんね?」
「病院に連れて行こうとしたらふらふらと出て行って。心配したんだぞ?」
だけど、ハルが嬉しそうに笑ってるから、
ま、いいか。