アンジュエールの道標
遠い親戚だか、知り合いだかが捜索願を出してお終い。
なんだか、あっけない。
「可哀想」
「えっ?」
「なんて思っちゃダメだよ」
「……」
コポコポと音を立てて入れられる紅茶。
アレからなんとなくここに通ってる私。
なんたって、永久さんの入れる紅茶は美味しいから。
「弱いものは喰われてしまう。これは世の摂理なんだから」
そう、いうものだろうか?
「だから、君は喰われなかったんだよ」
「……」
納得していいのか悪いのか。