アンジュエールの道標
「そういえばさ、幼馴染が家でしたらしくて」
「マジで?」
通りすがりの人の会話にドキッとしてしまう。
だからって私に出来ることは何も無いし、その結末を知ることも出来ないけど。
「なんか、複雑」
そう言うとハルが「みゃあ」と可愛らしく鳴くから、ベッドに寝転がったまま向かい合って。
すると近づいて――。
「ハル、君、男なんだよね?」
キョトンとしためで私を見上げるハル。
うん、男だった。