アンジュエールの道標

「おはよう、白夜」

「……」


はずだった。

目が覚めるとわしは藁の上に。

屋根はあるがあばら屋と言ったところだが。

わしの身体は五体満足で、尻尾もちゃんと3本ある。


「うん、猫又だもんね。簡単には死ねないって」


いや。

竜神の逆鱗に触れてしまったからには――。


「清めた水で魂をつなぎとめたから大丈夫」


そう言ってにこりと笑う永久。

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