アンジュエールの道標
夢の中だって分かる。
足元はふわふわして景色は一面真っ白。
よかった。
いつもと違う夢だ。
そんな思いに私はほっと息を吐いた。
このまま眠ろう。もっと深く、深く――。
そんなことを思ってると身体が白い雲の中に沈んでいく。
眠れるんだ。よかった。
そう思ったのに。
白いものに包まれると一瞬で暗くなる空間。
ううん、暗くなるなんてものじゃない。
闇。
そう、いつもの夢と変わらない、あの夢。
嫌だ。
早く目を覚まさないと――。