アンジュエールの道標
「あぁ、しかしお腹すいた。そこの森にアケビがあるらしいんだ。取りに行かない?」
アケビなぞ……。
「人、食べたらまた悪意に取りつかれるよ?」
「……」
「またたびもあるかも」
「行こう」
「うん」
こ奴が何ものか、わしには分らん。
ただ、
『おや、永久でないかい?』
「あぁ、ミカゲ。社、直してもらったんだね」
『毎日貢物もあるでな。馳走してしんぜよう』
「有難う。白夜、行くよ?」
神族はみな、こ奴のことを知っているらしい。