アンジュエールの道標


また訪れる夕暮れ。

すべてがオレンジに染まり、闇夜がすぐそばまで迫ってくる。


「本当に毎日、寒くない?」


クスリと笑う彼。

その腕には真っ白い猫。


「……寒くなんて」


そう言って彼に目をやる。

彼はカーキ色のダウンジャケットにネックウォーマー。まるで真冬。


「そんなに寒いの?」

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