アンジュエールの道標

日に焼けて真っ黒な肌、なのに髪は真っ白で黒縁の眼鏡で。

昔と全然変わらない日和田先生。


あれ?


日和田先生はあたしが中学の時の担任で、あたしは……。

上から自分の姿を眺めた。

今まで近かった地面が遠ざかっていく。

ピンクでひらひらフリルのスカートが紺色のプリーツスカートに。

見える自分の手の平もすっかり子供のものじゃなくなってた。


あぁ、あたし、中学生になったんだ。


もう一度、隣を見上げると、いつもは難しい顔をしてる日和田先生がニコリと笑ってくれた。

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