アンジュエールの道標
そう、私、坂口万里は先日変な魔物に襲われたのです。
だから、今回もそういうのかと思って報告したのに。
「大丈夫。君には襲ってこないから」
「……」
いや、そう言う問題じゃなくて。
「えと、しかもそれが起きるのって放課後の誰もいない時間だけらしいんです!」
「誰もいないのにポルターガイストって分かるの?」
「それはっ! 朝になって教室がめちゃくちゃになって!」
「不良が乗り込んで憂さを晴らしてるとか」
「小学校ですよ?」
「なら、不良予備軍」
「……」
「暴れるだけ暴れたら満足するんじゃないかな? ねぇ、白夜」
白夜さんはやっぱり欠伸をするだけで。
真面目に取り上げてくれなかったのに。