アンジュエールの道標
なんでそんな事知ってるの?

驚く私に彼は何も答えずニコリと笑ってポットを取り出す。

そして壁際にある食器棚から紅茶カップを2客。


「そこに座って。オレンジペコでいいよね」


なんて言いながら紅茶を入れていく。

柑橘系の爽やかな香りが漂う。

私は言われるまま大きなソファにボスッと座った。

何がなんだか分からない。

だけど、まぁいいかって思ってる自分が居る。だって、もしかしたらこれは夢かもしれない。

だったらいちいち反応するのも面倒だし――。


「わしは日本酒」

「ひぃ!」

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