アンジュエールの道標

そっと私の前に置かれる紅茶。


「とりあえず、どうぞ」


確かにその香りはとてもリアルで。ゆっくりと手を伸ばすとカップは暖かい。口に運べば、


「熱っ!」


熱くて、火傷するくらい。

……ってか、こんなに熱いのに、舌はその熱で痛いくらいなのに。


「目が、覚めない……?」

「うん、現実だからね」


そういいながら、彼も同じように紅茶を啜った。


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