アンジュエールの道標
ほどかれていく夢
猫が人間になって、ううん、猫が喋って、違う。猫又?
あぁ、これが夢じゃないなんて! 夢だとしてもあり得ない事だらけなのに――!
「どうでもいいから早くなんとかしろ」
「えっ?」
しゃがれた白夜さんの声に顔を向ければ、酷く面倒そうな顔をしてミルクを飲んでる。
まるで猫のように。いや、元は猫なんだけど。違う、そうじゃなくて、なんとかって……?
「あの夢を見たがっているのはお前だ。自分で解決するしかない」
「……」
嫌だ、心臓がバクバクする。
「分かっているんだろう? だからお前はあの家で見張ってる」
「――っ」
息が、止まるかと思った。
なんで? どうして知ってるの!? 誰にも、誰にも言って無いのに――。
「待っていても帰っては来ないぞ?」
「どっ、どうして!?」