アンジュエールの道標

「うーん、やっぱり勘違いしてるね」

「えっ？」

「うむ、話がかみ合っておらんな」

「白夜が変な言い方するからだよ」

「お前がはっきりと言わんからだろう？」

「こういうデリケートな話はオブラートに包んだほうがいいんだよ」

「でり毛糸？　負ぶらないと？　何の話だ？」

「うん、もういいよ」


……さっぱり分からない。なに、このコントは。


「あ、ごめんね。えっと、なにから話そうかな？」


そう言って永久さんは「うーん」と唸って。


「うん、君から話してもらおう。君の事は詳しく教えてもらったけど、そうなった経緯はどうも要領を得なくてね」

「……どういう？」


すべてが曖昧すぎてさっぱり分からない。

大体、こんなこと人に話せるなんて――。