アンジュエールの道標
家の窓の鍵をすべて閉めて、私は耳を澄ます。
だけど、聞こえるものは何も無くて、家を出て鍵を閉めた。
朝食はいつものようにコンビニでゼリードリンクをゲット。
学校が好きなわけじゃない。
でも、あの家に居るよりはマシだから。
いつものように公園を抜けて、
「万里! おっはよ!!」
「優子、おはよ」
親友の橘優子と合流する。
「またコンビニ? 早起きしなよ」
「これ、結構美味しいのよ?」
そう答えると優子は呆れるように笑った。
その隣でちゅーっとパウチに入ったゼリーを吸い込んで――。
「今日はよく眠れたはずでしょう?」