アンジュエールの道標

「えっ?」


瞬間。

パリーンッ

と薄いガラスでも割れたような音が頭に響く。

どこかでガラスが割れたんじゃない。

聞こえてくるのはあくまで私の頭の中だけ。

そして、ゾワリと私の肌を何かが撫でた。


「狐か」


呟いたのは人の形をした白夜さん。


「これ、狐なの? 気持ち悪い……」

「へっ? あれ?」


気づくとハルも私の腕の中から抜け出して人の形をしてた。

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