アンジュエールの道標
向かったのはサッカー部の練習場。
そのサッカー部に私が好きだった先輩が居る。
といっても、告白するでもなく遠くから見るだけの片思い。
だから、先輩は私を知らないし、失恋といっても私の中だけで自己完結してる。
だけど、その姿を見たら胸はキュンとしてしまうわけで。
「……猫は立ち入り禁止よ」
そう言って私たちの前に現れたのは、先輩の彼女で、
「あぁ、君か。ユズハ」
永久さんの知り合い!?
驚いているのは私だけで、永久さんはいつものようにニコニコ。
白夜さんは険しい顔で彼女を睨んで、ハルは私を庇うように前に立った。